石川県に観光で来られる方へアドバイスとお願い

連休に入り大勢の方が石川県、金沢市に来ています。新型コロナウイルスの感染拡大が広がっていますが、ここ数日の石川県の新規感染者数は若干落ち着いているようで、首都圏から北陸新幹線で大勢の方が金沢に観光でいらしています。そこで石川県に来られた方で観光や外食でのアドバイスとお願いをしたいと思います。

金沢に来たのなら金沢おでんや新鮮な魚介類を夜食べようと思っている方はなるべく早い時間に予約の時間を設定してください。出来れば開店直後の午後五時か六時ごろがいいでしょう。九時や十時頃だとお目当てのお魚やカニ面などが品切れになっている可能性があります。某鮮魚店は品切れになるスピードが速いためなるべく早い時間にお店に入った方がいいです。また予約せず行列に並んで食べようと思った場合新型コロナウイルス感染拡大防止の為席数を減らしている可能性があり、長時間寒い外で並ばなければならないので防寒をしっかりしておいた方がよろしいかと思います。

おでんに関して言えばカニ面が食べられなくても他のネタでも金沢のおでんは十分美味しいです。とくに大根は加賀野菜の源助大根という大根を使っており、こちらは肉質が柔らかくおでんには最適の大根です。あと個人的には車麩をお勧めしたいと思います。金沢の名物に麩があります。こちらも金沢の食卓でよく食べられるもので卵とじや煮物に入れたりします。おでんに入れると出汁が染みてとても美味しいです。あとバイ貝なども歯ごたえがあって美味しいかもしれません。因みにカニ面はおでん屋さんだけで金沢の一般家庭のおでんには入ってないかと思います。

あと定番の金沢にある程度来られて石川県の違う所を見てみたいという方はレンタカーを借りて白山市の山間に行かれてみてはどうかと思います。これから冬に入り雪が降ると厳しいですが綿ケ滝や峡谷を見るこ出来ます。また加賀一向一揆の拠点となった鳥越城跡があります。

後ここからお願いしたいことがあります。金沢、片町に来られた方は犀川大橋から野町広小路方面は観光地ではなく、市民の居住エリアと思って頂いてよろしいかと思います。野町方面にも西茶屋街がありますが、ほぼ住民の居住エリアとなっています。片町も街の大きさとしてはそれほど大きくなくお店が並んでいるエリアのすぐそこに民家が立ち並んでいます。ごみのポイ捨て、深夜に大声を出すなどお気をつけください。あとマスクの着用をお願いします。金沢市民の方々は観光に携わっている方も携わっていない方もコロナの感染拡大防止に緊張感をもってサービス、生活をしています。市民の方々には観光で大勢の方が観光に訪れることに感染拡大に大きな不安を抱えている方々もいらっしゃいます。そのことをよく理解して頂きたくよろしくお願いいたします。

金沢おでんの真の主役は?

「金沢おでんと言えばカニ面だよね」

そんな言葉を観光客から何度も聞く機会がある。自分はこの言葉に違和感を覚える。と言うのも自分が今まで家庭で食べていたおでんには一度もカニ面が入っていたことはないのである。そもそもカニ面に使うズワイガニの雌香箱カニはズワイガニでも食べられる季節が短く旬の物が食べられるのはせいぜい二か月弱くらいしかないのである。自分の家で香箱ガニが手に入った時はおでんにカニ面で入れるなどと言う発想はなく茹でてそのまま食べるのが普通の食べ方である。おでんの具材で入れた事は一度もない。

 そもそもカニ面は石川、金沢なりの家庭のおでんには高すぎるのである。と言うのも香箱ガニのカニ面を金沢のおでん屋さんで食べようと思ったら千円から千五百円ほどかかるので個人的な感想としておでんの具材の価格帯ではない。それを金沢のおでんのエースに担ぎ上げてしまうことに甚だ疑問すら覚えてしまう。

 県外の人達には金沢の家庭のおでんには必ずカニ面が入っていると勘違いしている人もいるかと思うが、それはおそらく誤解であり、家庭のおでんには余程裕福な家庭じゃないと入っていないと思ってしまう。普通ならそのまま茹でて食べるのではないか。カニ面は金沢の家庭のおでんの具材ではない。カニ面が食べられるのはおでん屋さんだけである。今カニ面が金沢おでんのシンボルのような位置づけにはあまり理解が進まない。

 自分が考えるにはカニ面は金沢のおでん屋さんで生み出されておでん屋さんなりのカニ面の調理方法、食べ方なのである。要するにおでんの具材としてのカニ面ではなく、香箱ガニをおでんに入れた時のおでん屋さんなりの調理方法なんだろうと考えてしまう。言わば最初から香箱ガニカニ面はおでん全体よりも高価な食材であり、おでんがカニ面に合わせるイメージだろうか。

 自分が思うに金沢おでんの真の主役は大根と麩であると思う。大根に関しては金沢には古くから栽培されている野菜が十五種類ありその中に源助大根と言う大根がある。この源助大根柔らかいが煮崩れしない肉質と甘みが特徴でおでんには最適で金沢の家庭のおでんは大抵源助大根である。大根は全国どこでもおでんの主役みたいな存在でこのおでんに最適な大根があったから金沢でおでんを食べる文化が発達したのではないかと思ってしまう。

 もうひとつ麩は金沢には車麩と言う昔から伝わる麩がありその麩の配分は石川独特のものようで小麦から取り出した小麦たん白(グルテン)を長い棒に巻いて直火で焼きその上に再びグルテンを巻いて焼くことを二回繰り返した焼麩でこの車輪のような形状の場合おでんの出汁が染み込みやすくおでんには最適の具材になる。

 この大根と麩の二つのおでんの具材は値段が庶民的で手に入りやすく大抵の金沢の家庭のおでんには入っている。金沢でおでんを食べる文化が発達したのは源助大根や、車麩と言った庶民的な食べ物の美味しさのレベルがおでんに適していたからだろうと思う。家庭で食べる文化があってこそのおでん屋さんが盛んになるベースになり今の金沢おでんにつながったのだろうと感じるのだ。

 昨今金沢を取り上げるテレビなり雑誌なりで金沢おでんを取りあげる時必ずと言っていいほどカニ面ばかりが脚光を浴びるが、個人的には香箱ガニ、カニ面は最初からスターであっておでんじゃなくても十分食材として価値がある。カニ面がおでんに合わせているのではなくおでんがカニ面に合わせているのだろうと感じるのである。香箱カニはおでんの具材にしなくても普通に茹でて食べても普通においしい。家庭の目からすればカニ面は贅沢な香箱ガニの食べ方なのだろうと感じる。

 その一方源助大根と麩は昔から金沢の家庭のおでんで食べられており、金沢市民にもなじみ深い。大根は全国どこのおでんでも入っており、大抵の人はおでんを食べる時大根から食べるだろうと思う。金沢おでんのポイントの高さはこの源助大根のおでんに対する適応能力の高さにあり、それを金沢おでんを支える重要なベースになっていると感じる。車麩もそうだ。金沢の伝統的な製法で作られた麩だからこそおでんの出汁が染み込みやすくおでんには最適の具材になる。要に金沢おでんの力とはカニ面だけではない。おでんに最適な源助大根が生まれた風土、伝統的な製法で作られた麩がおでんに最適だったからこそ金沢でおでんが盛んになったルーツになったと思えるのである。

 もし県外の方が金沢に来る機会があり金沢で名物のおでんを食べようと思っている人がいるならカニ面ばかり注目しなくてもいいのである。先日金沢市街を歩いていたらカニ面が売り切れていたと落胆していた観光客を見かけた。それはそれで残念かもしれないがそんなに落ち込むことではない。大根と車麩を食べても十分金沢おでんを味わえるし、それが本来の金沢おでんの姿なのだろうと思うのだ。カニ面だけが金沢おでんではない。これは全国どこでも言えるのだが地元の普通の食文化に触れることも観光の一つの醍醐味と言えるだろう。

コロナ禍の石川の旅の仕方

先日ドライブしていましたが、色々と気がついたことがありました。それは石川県は観光地ですが、兼六園や金沢城など定番のコースよりもレンタカーを借りて海から山の方にドライブした方が色々と発見があるのかもしれません。

兼六園や金沢城周辺は金沢駅からバスやタクシーがあり、アクセスは確立されていますが、福井の東尋坊や白山の山あいなどは駅からも離れていてアクセスは車で向かうしかありませんが、自然に触れ合うのには最適です。このブログでも定番の観光地以外で何か穴場がないか探して紹介したいと思います。誰もいないような穴場ならコロナのリスクもあまりなさそうですし、密も防ぐことが出来るのかもしれません。