生活の場を観光地にした金沢

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まずはこちらをご覧ください。

https://news.livedoor.com/article/detail/10313466/

この「リピートされない観光地、金沢」という記事が書かれたのは五年前の北陸新幹線金沢開業直後の記事でしたが、それから五年経って金沢は観光地として成熟したのか今でもちょっと分かりません。

 と言うのも記事に出てくる北鉄のバスや多分飲食店は片町や近江町市場なのかもしれませんが、こちらのバスや飲食店は元々は市民の生活の場だったからです。

 五年前の記事とは言え北鉄のバスは今でも金沢で唯一の路線バスで、市民の生活の足の一部であり、その料金の支払い方法なども金沢の日常に溶け込んでいるものです。  ですから正直な話観光客が観光の為に使うのには向いていないし、バスの運転手もその意識で接客しているわけではないと思うのです。 もし県外の方が観光でバスを利用したい場合はなるべく城下まち金沢周遊バスを利用すべきです。普通の路線バスは観光客向けにシフトしているわけではなく、普段の市民の足のような位置づけが運転手、乗客にも染みついているわけでこの記事のように嫌な思いをする可能性があります。

 記事の中にもあった何故市民がバスの中で困っている観光客を助けないかは「このバスは地元民のもので、観光客のものではない」という考え方が態度に出ているのかもしれません。観光客なら観光客向けのバスを使え、使ってほしいということなのでしょう。

 こんな金沢に観光客から悪い評判がついてしまう原因のひとつにここ十年くらいで金沢は生活の場を一気に観光地化したことにあります。 元々近江町市場は市民の夕食の食材探しの場、香林坊や武蔵が辻の百貨店は週末の県内の家族連れの買い物や食事の場、片町は仕事を終えた地元のサラリーマンが夜呑んだり、接待をする場所だったのです。それが五年前の北陸新幹線開業以降一気に観光客向けのものを売り出すようになったのです。おでん屋さんが多いというわけで突然「金沢おでん」という言葉が出てきたり、カニ面がやたら注目されたり、それまであった市民の普段の食べ物が名物化しました。ちなみに今観光客が行列をなしているおでん屋さんも元々は市民になじみのある歴史のあるおでん屋という位置づけだったのです。

 自分の個人的な感想から言えば25年くらい前は金沢の観光地と言えばせいぜい兼六園くらいで県外からの観光客は金沢で兼六園周辺を見てその後和倉か加賀温泉郷に行くパターンだったのですが、新幹線の開業以降は繁華街や町の至る所に観光客を見るようになりました。特に変わったのはやはり金沢駅です。自分が学校に通うのに使っていた金沢駅は地元住民の集う場所でしたが、今では完全に観光客のものになっています。

 これから金沢が観光客により受け入れられるには生活の場と観光地の両立が重要になってくると思います。それプラスこのコロナ禍により感染防止の徹底で観光と市民生活の共存と理解が求められています。

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